結婚2年目の和香は、優しく真面目な夫・崇人との幸せな生活を送っていたが、
二人の間には誰にも言えない悩みがあった。
それは「夫婦生活の営みがない」こと。
そんな折、大学時代からの友人・みなみから突然の連絡が。
以前から和香夫婦の事情を知っていたみなみは、
和香に衝撃的な提案をする。
「うちの旦那の性欲、もらってほしいの!」
セックスレスに悩む2組の夫婦が、
心とカラダを分離させる 歪で複雑な人間関係を描いた人気作。
みなみからの衝撃的な提案に、和香は困惑する。
みなみは夫・冬夜との夜の関係に悩んでいた。
結婚後、夫は好きだが男性として意識できなくなり、夫婦の営みを持てないという。
そのため、冬夜とも友人である和香に、夫との関係を持ってほしいとお願いする。
断りの言葉を口にしたものの、みなみの真剣な表情が頭から離れない。
家に帰っても、夫・崇人との何気ない会話の中で、
自分たち夫婦の関係に思いを巡らせる。
もしかして崇人も、みなみのように体の関係を必要としていないのではないか―。
もう抱き合うことができないのではないかと不安が和香の心を蝕んでいく。
そんな中、偶然、和香はみなみの夫である冬夜とばったり出会う。
街で偶然出会った和香と冬夜は、カフェで話すことに。
何気ない仕草で触れた冬夜の手に、和香は思わず意識してしまう。
そんな中、冬夜はみなみからの提案について切り出した。
「俺と寝るという話を、みなみから聞いたんだろ?」
和香が非常識だと反論すると、冬夜は寂しげな表情を浮かべながら、
「俺たちはもう割り切ることにしたんだ。だから和香も割り切って、
俺たちのことを利用してよ」と告げる。
その夜、家に帰った和香は葛藤していた。タブーを犯す勇気はない——。
そして同時に、自分たち夫婦はまだ修復できるはずだという希望も抱いていた。
そんな中、和香は勇気を出し、隣で寝ようとしていた
夫・崇人に「ねぇ、しよ」と声をかける。
しかし、その時の崇人の様子は、どこか普段とは違っていた……。